こんにちは。岸本葉織です。
見るたびに心が整い、自分らしさを思い出せるようなアートを描いています。

私にとってスピリチュアルアートとは、自分の内側の感覚に耳を澄ませ、本質の声に従って描く作品です。
そうして生まれた作品は、ズレや違和感に気づき、内面を整え、自分らしさを思い出していく力を持つものだと感じています。
水彩画を始めてみたいと思っても、
「どこから塗ればいいの?」
「水の量がわからない」
「にじみすぎて思った形にならない」
「ムラになってしまう」
「透明水彩の技法って難しそう」
と感じる方は多いと思います。
透明水彩は、アクリル絵の具や不透明水彩のように、上から塗って簡単に隠せる画材ではありません。
水の量、紙の乾き具合、絵の具の濃さによって、色の広がり方やにじみ方が大きく変わります。
そのため、最初は思い通りにいかず、難しく感じることもあります。
でも、透明水彩の魅力は、その水の動きや、思いがけないにじみ、やわらかな透明感にあります。
この記事では、初心者さん向けに、透明水彩の基本の描き方と、よく使う技法を画像つきで紹介します。
平塗り、重ね塗り、ウェット オン ウェット、グラデーション、ドライブラシ、スパッタリング、マスキングなど、最初に知っておくと便利な技法をまとめました。
すべてを一度に覚える必要はありません。
まずは「こんな塗り方があるんだな」と眺めながら、気になるものから試してみてください。
絵の具や道具、紙選び、水張りなどがわからない方は↓の記事からどうぞ
透明水彩が初心者さんに難しく感じる理由
透明水彩は、紙の白さや絵の具の透明感を活かして描く画材です。
やわらかいにじみや、淡い色の重なり、光を含んだような透明感が魅力ですが、最初は少し難しく感じることもあります。
その理由のひとつは、透明水彩が上から塗って隠すより、下の色や紙の白さを活かす画材だからです。
不透明水彩やアクリル絵の具は、濃く塗ることで下の色を隠しやすい画材です。
一方、透明水彩は、下の色や紙の白さが透けて見えるため、あとから完全に白に戻したり、上から塗ってすべてを隠したりするのは少し苦手です。
だからこそ、透明水彩では「失敗を全部隠す」というより、にじみやムラ、偶然できた色の変化を活かしていく感覚も大切になります。
もちろん、最初からうまくできなくても大丈夫です。
透明水彩は、きっちりコントロールするというより、水の動きや色の広がりに少しずつ慣れていく画材と言えます。
透明水彩では、紙の白さが一番明るい部分になるため、白く残したいところは最初から塗り残しておく意識も大切です。
水の量とにじみが最初の壁になりやすい
透明水彩で初心者さんが迷いやすいのが、水の量です。
水が少なすぎると、色がかすれたり、ムラになったり、硬い印象になりやすいです。
反対に水が多すぎると、絵の具が思わぬ方向に広がったり、乾きかけた部分に水が入ってシミのような模様ができたりすることがあります。
このシミのような模様は、バックランやカリフラワーと呼ばれることもあります。
狙って使うと面白い表現になりますが、思っていない場所にできると「失敗した」と感じやすいかもしれません。
でも、水の量は一度で完璧に覚えるものではありません。
紙の種類、筆に含ませた水の量、絵の具の濃さ、乾き具合によっても変わります。
まずは失敗と思いすぎず、
「水が多いとこう広がるんだ」
「乾きかけに触るとシミになりやすいんだ」
「この紙だとにじみ方が違うんだ」
と、少しずつ感覚をつかんでいくのがおすすめです。
*なお、以前こちらに載せていた下絵の転写方法は、別記事に移動しました。
下絵の描き方や転写について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
基本の塗り方・技法
ここからは、透明水彩でよく使う基本の塗り方や技法を紹介します。
「技法」と聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、最初から全部を覚える必要はありません。
まずは、
「こういう塗り方があるんだな」
「この表現、やってみたいな」
「背景に使えそうだな」
という感じで、気になるものから試してみてください。
透明水彩は、水の量や紙の乾き具合によって、色の広がり方が変わります。
同じ技法でも、使う紙や絵の具、水の量によって仕上がりが変わるので、スケッチブックなどで何度か試してみると感覚がつかみやすいです。
今回の作例では、主にマルマンのスケッチブック オリーブシリーズと、別記事で紹介した透明水彩絵の具を使っています。
マルマン スケッチブック サムホールサイズ オリーブシリーズ S287
絵の具や道具、紙、水張りについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
絵の具はこちらで紹介した、7色の絵の具の一部を使いました。
ここで紹介する技法は、単独で使うこともできますが、実際に絵を描く時は組み合わせて使うことが多いです。
たとえば、背景はウェットオンウェットでふんわりにじませ、細かい部分は重ね塗りで色を深め、仕上げにスパッタリングで星や光を入れる、というような使い方もできます。
まずは基本の塗り方を知って、少しずつ自分の絵に取り入れてみてください。
平塗り・ベタ塗り|ムラなく広い面を塗る方法
平塗りは、広い面をできるだけ均一な色で塗る方法です。
背景や大きな面を塗る時によく使います。
一見簡単そうに見えますが、透明水彩では水の量や筆の動かし方によってムラになりやすいので、最初は少し難しく感じるかもしれません。
平塗りをする時は、薄めに溶いた絵の具を筆にたっぷり含ませ、紙の上から下へ向かって塗っていきます。
紙を少し傾けておくと、絵の具が下に流れやすくなり、塗り進めやすくなります。
途中で何度も同じ場所をなぞったり、乾き始めたところに絵の具を足したりすると、ムラになりやすいです。
できるだけ乾く前に、迷わず塗り広げるのがポイントです。
塗り終わったあと、端に水分がたまりすぎている場合は、筆の水分をティッシュで軽く取り、たまった水を吸い取るようにします。

平塗りでムラになりやすい原因は、同じところを何度も触ってしまうことです。
「ここが少し気になる」と思って筆でなぞるほど、乾き方がバラバラになり、かえってムラが目立つことがあります。
少し勇気はいりますが、平塗りはできるだけ手早く塗って、乾くまで触らない方がきれいに仕上がりやすいです。
ウェット オン ドライ|透明感のある重ね塗り
ウェット オン ドライとは、乾いた紙や、完全に乾いた絵の具の上に色を重ねる技法です。
透明水彩では、下に塗った色がうっすら透けるため、色を重ねることで透明感のある表現ができます。
たとえば、花びらや葉、薄い布、羽のようなモチーフを描く時にも使いやすい技法です。
重ね塗りで大切なのは、最初に塗った色をしっかり乾かすことです。
触っても手につかないから大丈夫と思っても、紙の中に水分が残っていると、次の色を塗った時に下の色がにじんでしまうことがあります。
きれいに重ねたい時は、焦らず、完全に乾いてから次の色を塗るようにしてください。

ベースの色を塗った状態
最初に塗った色が完全に乾いたら、上から重ねる色を塗っていきます。
この時のポイントは、何度もこすらず、さっと塗ることです。
同じ場所を何度も筆でなぞると、下に塗った色が溶け出してしまい、きれいな重なりになりにくくなります。
2色目を塗ったあと、水分が多いと感じた場合は、筆の水分をティッシュなどで軽く取り、塗った部分をやさしくなぞるようにして余分な水分を吸い取ると整えやすいです。

色を重ねた状態
青と緑の組み合わせでも重ね塗りを試してみました。
下の色が透けて見えるので、色が重なった部分に奥行きが出ます。
「完全に乾かしてから塗ること」
「上から塗る時は、さっと塗ること」
この2つに気をつければ、重ね塗りは初心者さんでも試しやすい技法です。
※画像の中央上あたりに少し凹みがありますが、水で濡れたところに置いてしまったためです。

完全に乾かすこと。
さっと描くことに気を付ければ難しい技法ではありませんので、是非一度お試しくださいませ!
(画像の中央上の部分の凹みは、水でぬれたところに置いてしまったためです)
花びらのような形でウェット オン ドライを使うと、押し花のようなやわらかい雰囲気にすることもできます。
透明水彩の重ね塗りは、色を濃くするだけでなく、透け感や奥行きを出したい時にも便利です。
まずは薄い色から重ねてみると、失敗しにくいと思います。

ウェット オン ウェット|にじみを活かす塗り方
ウェット オン ウェットとは、紙や絵の具が乾く前に、別の色をのせてにじませる技法です。
透明水彩らしい、ふんわりしたにじみや、やわらかい色の広がりを作りたい時によく使います。
背景、花びら、葉、光、空気感のある表現などにも使いやすい技法です。
ただし、ウェット オン ウェットは水の量によって仕上がりがかなり変わります。
水が多すぎると色が広がりすぎたり、乾きかけたところに水が入ってシミのようになったりすることがあります。
最初は思い通りにコントロールしようとしすぎず、
「水が多いとこう広がるんだ」
「乾きかけに触るとこうなるんだ」
という感覚をつかむつもりで試してみてください。

まず、塗りたい範囲に水だけをムラなく塗ります。
線画がある場合は、色をにじませたい範囲だけに水を塗るようにします。
水を塗ったところが見えにくい場合は、これから塗る色をほんの少しだけ混ぜて、薄い色水のようにして塗っても大丈夫です。
紙が水を吸い込み、表面が少し濡れている状態になったら、濃いめに溶いた絵の具を筆の先に少しだけ取ります。
その絵の具を、水を塗った部分にそっと置きます。
筆で何度も動かすというより、絵の具が水の中で自然に広がるのを待つイメージです。

水が乾いてしまう前に色をのせます。
水の量によって、絵の具の広がり方は大きく変わります。
また、使う水彩紙によっても、にじみ方や広がるスピードが変わります。
乾く頃には、塗った時よりも色が広がっていることが多いので、その変化も見ながら試してみてください。
ウェット オン ウェットは、紙の乾き具合も大切です。
水を塗った直後の、表面がつやつやしている状態と、少し時間が経ってマットに見えてきた状態では、絵の具の広がり方が変わります。
何度か試してみると、「今のタイミングだと広がりやすい」「少し乾いてきたからあまり広がらない」という感覚がつかみやすくなります。

次に、水だけではなく、薄く色を塗った上に別の色をにじませてみます。
ここでも大切なのは、水の量です。
ベースに塗った水分量よりも、あとからのせる色の水分が多すぎると、シミのような模様になりやすくなります。
色を薄くするか濃くするかではなく、筆に含ませる水の量に注意します。

光が当たってかなり水が多いように見えるかもしれませんが、実際には水をそこまで多くしていません。
ベースが乾く前に、上から色をのせてにじませます。
この時、ベースの水分量を上回るほど水を足さないようにします。

筆でこすって広げるというより、水の中で自然に広がるのを待つ感じです。
透明水彩は、思い通りにならないこともありますが、その分、思いがけないきれいなにじみに出会えることもあります。
乾くまでの間に、色は少しずつ広がっていきます。

乾くとこのような感じになりました。
塗った直後よりも、かなり色が広がっています。
ウェット オン ウェットでは、乾くまでの間にも色が動くので、少し広がることを考えて色をのせると良いと思います。

輪郭をくっきりさせずに、ふわっとしたにじみを作ることもできます。
背景や光、やわらかい空気感を出したい時は、このようなウェット オン ウェットの方が向いています。

こちらは、バックランと呼ばれる現象です。
一度塗って乾き始めている部分に、水分の多い筆や薄い絵の具が触れると、水分量の差で絵の具が押し出され、シミのような模様ができることがあります。
狙って使う場合は面白い表現になりますが、意図していない場所にできると、失敗したように見えてしまうこともあります。
バックランを避けたい場合は、
完全に乾かしてから次の色を塗る
または
乾く前に一気に塗って、その後は触らない
のどちらかを意識すると良いです。
ウェット オン ウェットは、最初から完全にコントロールしようとすると難しく感じやすい技法です。
まずは小さな紙で、水の量や乾き具合によってどのように色が広がるのかを試してみてください。
にじみ方に慣れてくると、透明水彩らしいやわらかい表現が楽しくなってきます。
グラデーション|色をなめらかにつなげる塗り方
グラデーションは、色の濃淡や、複数の色をなめらかにつなげて塗る技法です。
空や背景、花びら、葉、光の表現など、水彩画ではとてもよく使います。
1色を水で薄めながら作るグラデーションもあれば、緑から黄色、青から紫のように、複数の色を自然につなげるグラデーションもあります。
グラデーションで大切なのは、水の量を増やしすぎないことです。
途中で水を足しすぎると、色が押し戻されてシミのようになったり、境目がきれいにつながらなかったりすることがあります。
最初は小さな範囲で、色がどのくらい広がるのか試しながら練習してみてください。

まず、グラデーションにしたい範囲に水を塗ります。
線画がある場合は、色を塗りたい範囲からはみ出さないように水を塗ります。
水がはみ出すと、あとからのせた色もその部分まで広がってしまうので注意してください。

次に、上の部分に使いたい色を塗っていきます。
ここでも水が多すぎないように注意します。
水が多すぎると色が流れすぎて、思った位置で止まりにくくなります。

別の色につなげたい時は、すぐ隣にぴったりくっつけて塗るのではなく、少し間を空けて色を置きます。
水の量にもよりますが、最初から色同士をくっつけすぎると、混ざり方が強くなりすぎたり、シミのようになったりすることがあります。

水を足さずに、最初に塗った色と、あとから置いた色の間を埋めるようになじませていきます。
途中で水を足すと、バックランのようなシミができることがあるので注意してください。
光の反射で水が多く見えるかもしれませんが、水の量はそこまで多くしていません。

今回は、緑から黄緑、黄色へつながるグラデーションにしてみました。
最後に黄色を少し離して置き、同じように水を足さず、隣の色となじませていきます。
色同士の境目を完全に消そうとしすぎるより、自然に混ざるところを見ながら整えるくらいで大丈夫です。

次に、1色だけで作るグラデーションも試してみます。
同じように、まず塗りたい範囲に水を塗ります。

一番濃くしたい部分に、少し濃いめの色を置きます。
そこから、色を薄くしたい方向へ向かって塗り進めます。
ここでも、水の量が多くなりすぎないように注意します。

少し水を足して色を薄くし、筆の水分を軽く切ってから、その下を塗っていきます。
さらに薄くしたい場合は、少しずつ水を足すか、水だけでやさしく塗り広げます。
水を一気に増やすとシミのようになりやすいので、少しずつ調整するのがおすすめです。

これでグラデーションの完成です。
グラデーションは、水彩画を描く時によく使う技法なので、最初はうまくいかなくても、何度か試しているうちに少しずつ感覚がつかめてきます。
紙によっても絵の具の広がり方や水分の吸い込み方が違うので、使う紙を変えると仕上がりも変わります。
きれいに塗ろうとしすぎるより、まずは水の量と色のつながり方を観察しながら練習してみてください。
ドライブラシ|かすれた質感を出す塗り方
ドライブラシは、筆の水分を少なくして、かすれた質感を出す技法です。
絵の具を筆につけたあと、ティッシュなどで余分な水分を軽く取ってから塗ります。
水分が多いと普通に色が伸びてしまうので、ドライブラシらしいかすれを出したい時は、筆に含ませる水を少なめにするのがポイントです。

水分量を減らした筆で塗ると、このように紙の凹凸に絵の具が引っかかり、かすれたような表現になります。
木の幹、葉、草、岩、古い紙のような質感など、少しざらっとした雰囲気を出したい時に使いやすい技法です。
水彩紙の表面の凹凸によっても、かすれ方は変わります。
中目や粗目のように凹凸がある紙の方が、ドライブラシの質感は出やすいと思います。
私は普段の作品ではドライブラシをあまり多く使いませんが、質感を出したい時に知っておくと便利な技法です。

ドロッピング|絵の具を垂らして模様を作る技法
ドロッピングは、水で溶いた絵の具を、筆やスポイトなどで紙の上に垂らして模様を作る技法です。
絵の具を上から落とすことで、丸く広がったり、花びらのような形になったり、偶然できる模様を楽しむことができます。
背景や抽象的な表現、光や水のような雰囲気を出したい時にも使いやすいです。
絵の具を垂らす高さや、水の量、紙の濡れ具合によって模様の広がり方が変わります。
まずは別の紙で試してから、作品に使うと安心です。

垂らした絵の具をストローで吹くと、また違った模様になります。
絵の具が枝のように広がったり、流れるような線になったりするので、背景や植物のような表現にも使えます。
ただし、強く吹き続けると頭がくらくらすることがあるので、無理せず少しずつ試してください。

ストローで吹く角度を変えると、絵の具が飛ぶ方向や広がり方も変わります。
思い通りにコントロールするのは少し難しいですが、その分、偶然できる形が面白い技法です。
色を変えたり、水の量を変えたりしながら、いろいろ試してみてください。

乾くと、このような感じになりました。
ドロッピングは、色の組み合わせや水分量によって印象がかなり変わります。
そのまま模様として使っても良いですし、背景の一部として使ったり、あとから線を描き足して作品にしていくのも面白いと思います。

スパッタリング|絵の具を飛ばして星や光を表現する技法
スパッタリングは、絵の具を細かく飛ばして、点や粒のような模様を作る技法です。
星空、光、雪、しぶき、幻想的な背景などを描きたい時によく使います。
歯ブラシを使う方法がわかりやすいですが、筆でもできます。
ただし、思っている以上に広い範囲に絵の具が飛ぶので、作品に使う前に、いらない紙で一度試しておくのがおすすめです。

まず、絵の具を水で溶いて、使いたい濃さにします。
歯ブラシに絵の具をしっかり含ませます。
絵の具が多すぎると大きな水滴になって落ちやすく、少なすぎるとうまく飛びません。
最初は別の紙に飛ばしてみて、点の大きさや飛び方を確認してから使うと安心です。

絵の具を飛ばしたくない部分は、いらない紙などでしっかりガードします。
その上で、歯ブラシを指でこすって絵の具を飛ばします。
絵の具の濃さや水分量、歯ブラシにつけた量によって、点の大きさや密度が変わります。

歯ブラシではなく、筆を使ってスパッタリングすることもできます。
やりやすい方で試してみてください。
スパッタリングは、思った以上にあちこちへ飛びます。
背景だけに使いたい場合や、一部だけに入れたい場合は、飛ばしたくない部分を紙やマスキングなどで覆ってから行うと安心です。

使う色や点の細かさによって、印象がかなり変わります。
白や淡い色を使うと星や光のように見えますし、濃い色を使うと、少し動きのある模様として使うこともできます。
下の作品では、背景の星の部分にスパッタリングを使っています。
夜空や宇宙のような背景を描く時は、スパッタリングを使うと細かい光の粒を表現しやすいです。

スパッタリングは、簡単に華やかさを足せる技法ですが、一度飛ばすと消すのが難しい場合もあります。
作品に使う時は、最初からたくさん飛ばしすぎず、少しずつ様子を見ながら入れていくのがおすすめです。
マスキング|3種類を使って比べてみた
マスキングとは、塗りたくない部分をあらかじめ保護しておくことで、その部分を白く残せる技法です。
透明水彩では、白い絵の具で明るさを出すというより、紙の白をそのまま活かして光やハイライトを表現することが多いです。
そのため、細かい光や模様を残したい時に、マスキングはとても便利です。
今回は、下の3種類を使ってマスキングしてみました。
マスキングペン、マスキング液、マスキングフィルムです。
3種類を使ってみた様子

こんな感じで、簡単にハート型にしてみました。
マスキングペンは一番手軽ですが、ペン先が太めのものもあり、細かい線や繊細な表現にはやや向かないことがあります。
マスキング液は自由に塗れるので便利ですが、専用の筆を用意したり、使用後すぐに洗ったりしないと固まってしまいやすいです。
扱いに少し注意が必要ですが、細かい形も作りやすい方法です。
マスキングフィルムは、私が一番よく使うものではありますが、かなり粘着力が弱めなので、凹凸の大きい粗目の水彩紙などにはあまり向きません。
中目でも紙によってはすぐにはがれてしまうことがあるので、塗る時は筆の動かす向きや力加減に少し気をつける必要があります。
マスキングフィルムは基本的に、水彩紙に貼ってからカッターで切って使います。
上から絵の具を塗ってみる

赤と黄色のグラデーションで塗ってみました。
何も気を付けずざっくり塗ってしまいました。
こうして上から普通に絵の具を塗っていくと、マスキングした部分だけ白く残るはずです。
はがす時に使ったもの

マスキングをはがす時には、ラバークリーナーを使います。
指でこすってはがすこともできますが、汚れてしまう場合もあるので注意が必要です。
ラバークリーナーで取る時も、強くこすったりせず、軽く触れるようにやさしく取り除くのがおすすめです。
はがしてみた結果

マスキングをはがしてみました……が、
急いではがしたせいか、マスキング液の部分が一部やぶれてしまいました。
このように、同じように使っても、使う道具や紙との相性によって仕上がりに差が出ます。
マスキング液は、水彩用紙によっては紙が毛羽立ってしまったり、やぶれてしまうことがあるので、使用前に別の紙で試してから使うことをおすすめします。
3種類を使ってみた感想
今回使ってみて、それぞれに向いている用途が違うと感じました。
- マスキングペン
手軽に使いやすい。ちょっとした形を残したい時に便利。
ただし、細い線にはやや不向き。 - マスキング液
自由度が高く、細かい形も作りやすい。
ただし、筆の管理や紙との相性に注意が必要。 - マスキングフィルム
形をきれいに切って使いたい時に便利。
ただし、紙によっては浮いたり、はがれやすかったりする。
私は用途によって使い分けていますが、
まず試してみるなら、手軽さではマスキングペン、自由度ではマスキング液が使いやすいと思います。

マスキングは便利ですが、紙との相性や、はがすタイミングで結果が変わることも多いです。
私も失敗したことがありますが、だからこそ本番前に少し試しておく大切さを実感しています。
塩
塩を使う技法は、絵の具が乾ききる前に塩を振りかけて、結晶のような模様を作る方法です。
塩が水分を吸うことで、普通に塗っただけでは出せない、雪の結晶のような模様や、ふわっとした粒感が出ます。
背景や幻想的な表現、雪や光のような雰囲気を出したい時にも使いやすい技法です。

塩は、さらさらした塩がおすすめです。
あら塩のようなしっとりした塩を使うと、ぼとっと落ちてしまい、きれいな模様になりにくいことがあります。
できなくはないのですが、最初は細かめでさらさらした塩の方が扱いやすいと思います。

時間が経つと、少しずつ結晶のような模様が出てきます。
背景の色や濃さによって、模様の見え方も変わります。
色が薄すぎると模様が見えにくいので、塩の効果をはっきり見たい時は、ある程度濃い色で試してみるとわかりやすいです。
完全に乾くまでは、塩に触れないようにしてください。
乾く前に塩を落とそうとしてこすったりすると、絵の具が伸びたり、模様が崩れたりすることがあります。

完全に乾いたら、塩をやさしく落としても大丈夫です。
この時も、強くこすらず、軽く払うように落とします。
塩の部分に絵の具が引き寄せられて、結晶のような白っぽい模様が残ります。

少しわかりづらかったので、後でもう一度試してみました。
適当に塩を振りかけただけですが、きれいに模様が出ています。
塩の技法は難しくありませんが、水の量と塩を振るタイミングで模様の出方が変わります。
水が少なめだと小さな模様になりやすく、水が多めだと大きめの模様になりやすいです。
ただし、水が多すぎると絵の具が流れすぎたり、思ったより大きく広がったりすることもあります。
最初は小さな紙で、塩の量や水分量を変えながら試してみるのがおすすめです。
塩の技法は、きっちり狙って描くというより、偶然できる模様を楽しむ技法です。
思った通りにならないこともありますが、予想外にきれいな模様が出ることもあります。
透明水彩らしい偶然の表情を楽しみたい時に、ぜひ試してみてください。
スクラッチング|ひっかいて細い線を出す技法
スクラッチングとは、カッターの刃の反対側や、先の細い道具などで紙の表面を軽くひっかき、細い線を出す技法です。
濃く塗った部分にあとから細い線を入れたい時や、葉脈、動物の毛、草、光の線のような表現をしたい時に使えます。
ただし、スクラッチングは紙の表面を削る技法なので、強くひっかきすぎると紙が傷んだり、剥がれたりします。
一度削ってしまうと修正が難しいので、本番の作品に使う前に、必ず別の紙で練習してから試してみてください。

濃く塗った部分を軽くひっかくと、このように細い線が出ます。
今回は、葉の筋のような線をスクラッチングで入れてみました。
あまり葉の筋にスクラッチングを使うことは多くないかもしれませんが、細い白っぽい線を出したい時や、動物の毛、草、羽、光の表現などには使えると思います。

こちらは、先にスクラッチングをしてから着色したものです。
着色後にひっかく場合とは違い、線に色が入り込むような感じになります。
白く線を抜くというより、少し濃い線や、紙に刻んだような線を活かしたい時に使えます。

こちらは、中央に絵の具を置いて、カッターの背で軽く外側に向かってひっかいてみたものです。
細い線が外側に広がるので、光、花火、植物の細い毛、炎のような表現にも使えそうです。

スクラッチングは面白い表現ができますが、紙を削る技法なので、修正はほとんどできません。
また、水彩紙によっては表面が破れやすかったり、思ったより線が出にくかったりすることもあります。
使う紙や絵の具の濃さによって仕上がりが変わるので、最初は小さな紙で試してから使うのがおすすめです。
スクラッチングは、たくさん使うよりも、細い線や質感を少し足したい時に使うと自然に見えやすいです。
バックラン
バックランとは、絵の具が少し乾きかけたところに、水や薄い絵の具を加えた時にできる模様のことです。
水の流れによって、花が咲いたような模様や、にじみが押し広げられたような形が現れます。
意図せずできると「失敗」に見えることもありますが、使い方によっては面白い表現になります。

まずは、このように適当に色を塗っておきます。
完全に乾く前、少し乾きかけたくらいのタイミングで、水を含ませた筆でところどころに触れてみます。

すると、このように模様が浮かび上がってきます。
この時のポイントは、紙が「半乾き」の状態であることです。
乾ききる前すぎると、ただにじむだけで終わってしまいやすく、逆に完全に乾いているとバックランにはなりません。
乾くまでの間にも模様は少しずつ広がっていきます。
そのため、塗った直後よりも、乾いた後の方がバックランらしい形がはっきり見えることがあります。

バックランは、水彩らしい偶然性が出る表現なので、背景や空気感のある表現、幻想的な雰囲気を出したい時には活かしやすいです。
一方で、きれいに均一に塗りたい部分では、意図しないバックランが出ると目立ってしまいます。
そのため、起こしたくない時は、
- 完全に乾いてから重ねる
- 乾きかけのところを何度も触らない
- 水の量を増やしすぎない
このあたりを意識すると防ぎやすいです。
バックランは失敗として出ることもありますが、水彩ならではの模様として活かせることもあります。まずは「こういう現象がある」と知っておくと、慌てにくくなります。
リフティング|色を抜いて光や雲を作る技法
リフティングとは、塗った絵の具を水やティッシュなどで抜く技法です。
雲や光、やわらかい白い模様を作りたい時や、少しはみ出してしまった部分を目立ちにくくしたい時にも使えます。
水彩紙の種類や絵の具の色によって、色の抜けやすさは変わります。
リフティングしやすい紙もあれば、あまり色が抜けない紙もあるので、本番前に別の紙で試しておくと安心です。
紙による違いはこちらの記事で紹介しています。

まずは、リフティングしたい部分の下地を塗ります。

絵の具が乾ききる前に、ティッシュでぽんぽんと軽く押さえると、色を抜くことができます。
こすらずに、やさしく押さえるのがポイントです。
雲のようなふんわりした形を作りたい時にも使いやすいです。
リフティングは乾く前でも乾いた後でもできますが、乾く前の方が色は抜けやすいです。

左がぬれたティッシュで吸い取った雲、右は乾いたティッシュで吸い取った雲です。
濡れたティッシュを使うと、色が少し広く抜けやすく、やわらかい雰囲気になりやすいです。
乾いたティッシュは、水分を吸い取る感じになるので、紙の状態や絵の具の水分量によって抜け方が変わります。
どちらが正解というより、作りたい雰囲気に合わせて使い分けると良いと思います。

完全に乾いた後でも、ある程度リフティングできます。
リフティングしたい部分に筆で水を塗り、少しなじませてからティッシュで押さえると、色を薄く抜くことができます。
ただし、紙や絵の具によっては、乾いた後にあまり色が抜けないこともあります。
私の感覚では、ウォーターフォードは少しリフティングしにくく、ワトソンは比較的やりやすいと感じています。

このように、筆に水をつけて細い線をなぞり、ティッシュで拭き取ると、細い線でリフティングすることもできます。
光の線や、水の流れ、雲のすじのような表現にも使えそうです。

水を含ませた筆で丸く描き、ティッシュで押さえれば、水玉模様のように色を抜くこともできます。
背景に少し変化をつけたい時にも使いやすいです。

この画像のように、色が少しはみ出してしまった場合でも、筆で水を塗ってティッシュで押さえる作業を何度か繰り返すと、ある程度薄くできることがあります。
完全に消えるとは限りませんが、目立ちにくくできる場合があります。

このように、少し色を薄くすることができました。
紙によっては、もっときれいに色が抜けることもあります。
今回使っているマルマン スケッチブック オリーブシリーズも、そこそこ色抜きできる紙だと感じています。
ただし、何度もこすりすぎると紙の表面が傷むことがあるので、やさしく少しずつ試してください。

こちらも、完全に乾いた後に水を含ませた筆で斜めに線を描き、ティッシュで拭き取ったものです。
リフティングは、失敗を消すためだけでなく、光や線、模様を作る表現としても使えます。
リフティングは、透明水彩でとても便利な技法です。
ただし、紙や絵の具によって色の抜け方が違うため、いつも同じようにできるとは限りません。
まずは小さな紙で、濡れている時と乾いた後の抜け方を試してみると、自分の使っている紙の特徴がわかりやすくなります。
雲や光を作りたい時、少し色を薄くしたい時、はみ出しを目立ちにくくしたい時に、ぜひ試してみてください。
テクスチャ|身近なものを使って模様を作る技法
テクスチャは、筆だけでなく、スポンジや歯ブラシ、キッチンペーパー、ラップなどを使って模様を作る技法です。
筆で塗るだけでは出しにくい、ざらっとした質感や、偶然できる模様を表現したい時に使えます。
背景、岩、木、草、雲、光、水のきらめき、抽象的な模様など、いろいろな表現に応用できます。

画像では、いくつかの道具を使って、どのような模様ができるか試してみました。
スポンジ ソフトは、やわらかいにじみや、ふんわりした模様を作りたい時に使いやすいです。
スポンジ ハードは、ソフトよりもはっきりした模様が出やすく、岩や草、ざらっとした質感にも使えそうです。
歯ブラシは、ぽんぽんと軽く押すように使うと、細かい点や不規則な模様が出ます。スパッタリングとは違い、紙に直接押し当てるような使い方です。
きめの細かいスポンジは、100均などで売っている化粧用スポンジのようなものです。細かくやわらかなタッチになりやすいので、ふんわりした背景やぼかしにも使えます。
キッチンペーパーは、少しくしゃくしゃにして、絵の具をつけたり、塗った上からぽんぽんと押さえたりして使います。乾き具合によって、模様の出方が変わります。
ラップは、色を塗ったあと、乾く前にくしゃっとさせたラップを表面に置き、乾くまでそのままにしておく方法です。乾いてからラップを取ると、不規則な模様ができます。
このように、身近なものでもいろいろな質感を作ることができます。
ただし、使う水の量や絵の具の濃さ、紙の乾き具合によって仕上がりが変わるので、作品に使う前に別の紙で試しておくと安心です。
きれいに整えようとしすぎるより、偶然できる模様を楽しむくらいの気持ちで試してみてください。
ハードエッジ|輪郭をくっきり出す表現
ハードエッジとは、塗った色の輪郭がくっきり出る表現のことです。
水彩では、塗っている途中や塗った後に水分が多めにたまると、乾いた時にフチだけが濃く残ることがあります。

画像のように、フチが強調されると、形の輪郭がはっきり見えます。
あえて輪郭を出したい時や、にじみの中にアクセントを作りたい時には、ハードエッジを表現として使うこともできます。
ただし、なめらかにぼかしたい時や、ふんわりしたグラデーションにしたい時にハードエッジが出ると、少し目立ってしまうことがあります。
ハードエッジを避けたい場合は、
- 水を置きすぎない
- 乾きかけのところに水を足さない
- 塗ったあとに何度も触りすぎない
- 水分がたまりすぎた部分は、筆やティッシュで軽く吸い取る
という点に気をつけると良いです。
ハードエッジも、失敗として出ることもあれば、表現として活かせることもあります。
「こういう現象がある」と知っておくと、意図せず出た時にも慌てにくくなります。
【修正術】乾いてしまった後の薄い色をどう戻すか
透明水彩は修正が難しいと言われることがありますが、完全に乾いた後でも、ある程度なら色を薄くしたり、整えたりが可能です。
基本は、先ほど紹介したリフティングと同じです。
修正したい部分にきれいな水を少し置き、紙に水をなじませてから、筆やティッシュ、キッチンペーパーなどでやさしく吸い取ります。
この時、強くこすらないようにしてください。
こすりすぎると紙の表面が傷んだり、毛羽立ったりすることがあります。
色が少し薄くなったら、完全に乾かします。
その後、必要であれば上から薄く色を重ねて整えます。
一度で完全に直そうとするより、
水で少し浮かす → やさしく吸い取る → 乾かす → 必要なら薄く重ねる
という流れで、少しずつ調整する方が失敗しにくいです。
ただし、紙や絵の具によっては、思ったほど色が抜けないこともあります。
作品の大事な部分で試す前に、できれば同じ紙の端や別の紙で確認してから行うと安心です。
応用編:モチーフ別・塗り方の実践ステップ
基本の技法を知ったら、具体的なモチーフにも少しずつ使ってみましょう。
ここでは、植物や風景を塗る時の簡単な考え方を紹介します。
技法を単独で覚えるというより、
「この部分には重ね塗りが使えそう」
「背景はウェット オン ウェットでふんわりさせよう」
「最後にリフティングで光を入れてみよう」
というように、必要なところに組み合わせて使っていくと、水彩画らしい表現がしやすくなります。
植物|葉や花を立体的に見せる光と影の塗り方
葉や花を塗る時は、基本的に明るい部分から塗り始めると描きやすいです。
透明水彩は、あとから白く戻すのが難しいため、光が当たる部分や明るく残したい部分は、最初から薄く塗るか、紙の白さを残しておきます。
まず全体に、薄いグリーンやイエロー、花なら薄いピンクやオレンジなどを塗ります。
その後、完全に乾かします。
乾いたら、葉の付け根や影になる部分に、少し濃いグリーンや、少量の茶色を混ぜた色を重ねます。
一度で濃くしようとせず、薄い色を重ねながら調整すると、透明水彩らしいやわらかい立体感が出しやすいです。
風景|空や水など広い面を塗る時のポイント
空や水のように広い面を塗る時は、ムラになりやすいので、紙を少し傾けながら塗るとやりやすいです。
上から下へ塗り進める時に、塗っている部分の下側に小さな水のたまりを作り、それを筆で少しずつ下へ運ぶようなイメージで塗ります。
乾き始めたところを何度も触るとムラになりやすいので、できるだけ手早く塗るのがポイントです。
また、空や水は乾燥が早いとムラが出やすくなります。
エアコンや扇風機の風が直接当たる場所では乾きが早くなりすぎることがあるので、広い面を塗る時は、風が当たりにくい場所で作業すると安心です。
よくある失敗
透明水彩でよくある失敗は、いじりすぎてしまうことです。
「ここを少し直したい」
「もう少し色を足したい」
「ムラをなくしたい」
と思って何度も筆で触っているうちに、色が濁ったり、紙が毛羽立ったりすることがあります。
気になる部分がある時は、無理にその場で直そうとせず、一度しっかり乾かしてから修正した方がきれいに整えやすいです。
また、色を混ぜすぎることにも注意が必要です。
基本的には、混ぜる色は2色、多くても3色くらいまでにしておくと、色が濁りにくいです。
隣の色が乾かないうちに別の色を塗ると、意図せず色が混ざって濁ってしまうこともあります。
きれいに色を分けたい場合は、完全に乾いてから隣を塗るようにしてください。
透明水彩は、思った通りにコントロールしようとしすぎるほど、かえって難しく感じやすい画材です。
「少し待つ」
「乾かす」
「触りすぎない」
この3つを意識するだけでも、かなり描きやすくなると思います。
よくある質問(FAQ)
Q. 描いている途中で色が足りなくなったらどうする?
A. 乾きかけの状態で色を継ぎ足すと、ムラになりやすいです。
足りないと思った時に無理に継ぎ足すより、一度しっかり乾かしてから、上から薄く色を重ねる方がきれいに仕上がりやすいです。
広い面を塗っている途中で色が足りなくなりそうな場合は、最初に少し多めに色を作っておくと安心です。
Q. 透明水彩とガッシュ、不透明水彩を混ぜても良いですか?
A. 混ぜること自体はできます。
ただし、透明水彩にガッシュや不透明水彩を混ぜると、透明水彩らしい透明感は弱くなります。
透明感を出したい部分は透明水彩で塗り、ハイライトやしっかり白く見せたい部分、下の色を隠したい部分にはガッシュや不透明水彩を使う、というように使い分けると良いと思います。
Q. 下書きの鉛筆の線は残すべき?消すべき?
A. 作品の雰囲気に合わせて決めて大丈夫です。
鉛筆の線を残したい場合は、線の雰囲気も絵の一部として活かせます。
線を目立たせたくない場合は、色を塗る前に練り消しゴムで上から軽く押さえるようにして、線を薄くしておくと良いです。
一度水彩で塗ってしまうと、鉛筆の線が消しにくくなることが多いので、消したい線は塗る前に調整しておくのがおすすめです。
実際に塗ってみましょう
ここまで、透明水彩の基本の描き方や、よく使う技法を紹介してきました。
平塗り、重ね塗り、ウェット オン ウェット、グラデーション、ドライブラシ、ドロッピング、スパッタリング、マスキング、リフティングなど、いろいろな技法がありますが、最初からすべてを使いこなそうとしなくても大丈夫です。
まずは、気になる技法をひとつ試してみる。
水の量を変えてみる。
乾く前と乾いた後の違いを見てみる。
そんなふうに少しずつ試していくと、透明水彩の感覚がつかみやすくなります。
実際に絵を塗る時は、今回紹介した技法を組み合わせながら進めていきます。
次の記事では、主にウェット オン ウェット、ウェット オン ドライ、グラデーションを使いながら、実際にイラストを着色していきます。




















水のにじみは完全にはコントロールできません。
思った通りにしようとするほど、形は変わっていきます。
その変化を眺めているうちに、「動かす」より「待つ」感覚が出てきます。
透明水彩は、描くというより起きている変化を受け取る時間になりやすい画材です。