透明水彩の塗り方・コツなどを初心者でもわかりやすく解説していきます

透明水彩画 薔薇

みなさんこんにちは。スピリチュアルアーティストの岸本葉織です。

私は、その時々で降りてくるものをスピリチュアルアートとして描いています。

岸本葉織の作品

スピリチュアルと聞いて怪しく思う人もいるかもしれませんが、本当のスピリチュアルとは「本質の自分」です。

自分が心から描きたいと思うものをかたちにして表現することで自分も、それを手にした人にも良い影響を与えます!


Haori

今回は実際に透明水彩で絵を描き始める方の為に、塗り方順番など、難しい言葉や専門用語なしでわかりやすく解説していきます。

りふ

絵を描くには何から始めたらいいのかな?どう塗ればいいのかな?など、始めたいのになかなか始められない人には最適の内容になっているなりよ!
是非最後まで読んでいってくださいなり!



ちなみに、道具のそろえ方や選び方、色の作り方、テクニックなどは下記の別の記事で解説していますので、まだ読んでない方はそちらも合わせてご覧くださいね。

水彩画イラスト
水彩画用紙
水張り

でははじめていきましょう!

下絵の準備

まず、下絵を描きます。

直接水彩紙に下絵を描いても良いですが、消したりしているうちに紙が毛羽立ってしまったりもするので、最初はコピー用紙などに下絵を描いてみるのが良いかもしれません。

私の場合はスピリチュアルアートなのもあり、降りてきたイメージがなかなか降りてきたまま再現できずに修正をしまくるので、下絵は主にコピー用紙などに描いています。

気が済むまで修正してから取り掛かれること、水彩紙を極力汚さずにいられるのでこの方法が一番多いです。

丈夫な水彩紙を使うとか、下絵に自信があるとか、直に描きたい!っていう場合は直接水彩紙に下絵を描いてもOKですが、一応コピー用紙に描いた場合の手順をご説明します。

何の絵にするかなーと悩んだんですが、久々に学生時代に戻って、バラの花にしました。

美術の時間、なぜか私だけ薔薇ばかり描かされていたのでそれ以来長く描いていませんでしたが、練習としては塗りやすい気がしたので今回はバラの下絵を準備しました。

下絵が完成したら、その紙の裏側を鉛筆で塗りつぶします。

この時、全面を塗りつぶす必要はありません。表の絵が描いてある部分のみで大丈夫です。

そして塗りつぶしたら、ムラを無くすためにティッシュでこすると良いです。

やらなくても大丈夫ではありますが、下絵がまだらになったりすることがありますので、やっておくときれいに転写できます。

注意:普通のカーボン紙は消しゴムで消えないのでお勧めしません。
(消しゴムでも消せるものもあるようです)

下絵を水彩用紙に転写させる

塗りつぶしたら、水張りした水彩用紙又は水彩用紙ブロックの上に、粘着力弱めのマスキングテープなどで固定します。

上だけ止めるとズレやすいので、上下や左右も一緒に止めると良いです。
特に粘着力が弱いマスキングテープはズレやすいので気を付けてください。(紙を傷めないので良いですが)

下絵を水彩用紙にしっかりと固定できたら、線をなぞっていきます。

鉛筆でなくてもかまいませんが、細めで紙を破ってしまわないものが良いです。

なぞり終わったら、一部のテープをはがし、全ての線が描けているか確認してください。

細かい絵の場合は、パラパラと下絵をめくって戻してを繰り返せば、引けていない線がわかりやすいです。

ちゃんと全ての線が描けていたら、貼りつけていた下絵をはがし、完成です!

下絵の裏の塗りつぶした部分を、水彩用紙に擦ってしまうと、黒く汚れてしまうので、擦らないように気を付けてください。

塗る絵を用意

上で載せたバラですが、長期間放置していたら汚れてしまっていたので、新たにワーグマンブロックにバラを描きました。

手順は同じです。同じ転写方法で水彩紙に薔薇の絵を転写させています。

この薔薇の線画データはこの記事の一番下にありますので、同じ絵でチャレンジしたい方はダウンロードして使ってください。

透明水彩の着色方法は、絶対にこれ!というものはありません。

ざっくりと塗っていって完成させる方もいますが、私はじっくり細かく塗る派ですので、ざっくり塗っていきたい方はその塗り方をされる方の動画などを参考にしてみてください。

塗る順番と塗り方。グリザイユ画法とは?

塗る順番ですが、一般的には薄い色から塗っていきます。(場合によりそうでない場合もあり)
が、今回違う方法で塗ってみたいと思います。

「グリザイユ画法」というもので、同じ色で全体的に影を最初に入れてしまい、その後に各色で塗っていくやり方です。

アクリル画などでも使う技法です。

この画法を使う利点としては、全体的に統一感がでること、普通に着色していくよりも影がおかしくなりにくい、などがあります。

描くものなどにもよるかもしれませんが、もしかしたら初心者さんにはこちらのほうがうまくいきやすいかもしれないと思い、今回はこの画法を紹介することにしました。

私もこの画法は使いますが、その時の絵や気分によって、この技法で塗ったり、普通に着色して影をつけていくという方法だったりします。

この画法で塗らない場合は、普通にウェット オン ウェットウェット オン ドライを使い分けて塗っていき、影を付けていく方法で描いていきます。

その場合はこれから説明する方法の影を付ける部分以降を参考にして着色してみてくださいね。
ウェット オン ウェットなどの技法は下の記事で紹介しています。

グリザイユ画法 影をつけていく

グリザイユ画法で描く場合、単色で全体的に影をつけていきます。

この影の色ですが、チョイスする色によって、完成時の雰囲気も変わります。

青系だと落ち着いた感じだったり、場合によっては暗い感じになったり、暖色系は柔らかい雰囲気、あたたかい雰囲気になったりします。

どのような雰囲気の作品にしたいかによって、色を変えてみるのも良いと思います。

私は今回、全体的に鮮やかすぎない、落ち着いたアース系(?)の色合いにしたいと思ったので、イエローオーカーに少し青系を混ぜ、少しくすんだ色を作りました。

この色に水を多めに足し、薄めの色を作ります。
(イエローオーカーに限らず、そのままの色を使うと、鮮やかすぎて浮いてしまいがちです)

そして光源を意識しながら、全体的に影をつけていきます。

薄めに着色していきます。
隣接している部分は乾いてから塗ると色が流れてきません。

背景にも入れました。(斜めから撮っているのでゆがんでいます)

これで全体的に影の部分、暗い部分への着色が完了しました。

完全に乾いたら、次の作業にとりかかります。

着色

グリザイユ画法を使わない場合は普通にここからの着色で塗ってください。

基本的に、隣の色が混ざり合わないようにパーツ事に着色していきます。

完全に乾くまで隣接部分への着色は控えます。

もし早く乾かしたければドライヤーを使えば早く乾かすことができますが、水分が多いと色が流れてしまったりするので気を付けてください。

色の塗り方ですが、こちらの技法記事で紹介していますが、グラデーションやきれいににじませたいところにはウェット オン ウェット、くっきりさせたい所にはウェット オン ドライで塗っていきます。

はみ出したり、色を抜きたいところはリフティング技法を使っていきます。

ここでは赤系の色にまた暗めの色を混ぜて着色しています。

フラットにピンク系を塗っているだけですが、事前に影を入れているので、それなりに立体感が出ています。

ここに注意!

着色する上で注意したいのが、

「何度も筆でなぞらない」

「いじりすぎない」

「水の量」


です。この3つは透明水彩では重要です。

初心者さんでよくやりがちなのが、うまく着色出来ずに乾く前に何度もその場所を筆でなぞってしまうことです。

そうすることで紙がぼろぼろになっていき、見た目も悪くなります。

さらに、乾く前に修正したりすることで、先に塗っていた絵の具の色が落ちたり、水でにじんでしまったりと、どんどん修正が難しくなってしまうのです。

何度もなぞらず、基本乾いてから手を加えていきましょう。

また、乾く前に重ね塗りなどでいじりすぎるのも見た目が悪くなってしまう原因となります。

そして、水の量も気を付けなければいけません。
水が多すぎるとシミのような跡になってしまったり、にじみ方が望まないものになってしまったりもします。

筆に水を付けたらほどよいレベルまでティッシュなどで拭き取ると良いです。

徐々に濃い色を塗り足していく

これで全体的にある程度フラットにピンク系の色が塗れました。

もちろんこれで完成ではありません。

今度は影の部分の暗いところ、色が濃いところを塗っていきます。

最初に使った色に暗めの色も少し足して暗くなる部分を着色していきます。

基本的に、くっきりさせたいところはウェット オン ドライ、にじませたいところはウェット オン ウェットです。

筆の太さは塗る場所の広さによって変えると塗りやすいです。

コツとしては、さっと塗ることです。
もっと濃くしたい!と思ったら、一旦乾いてから色を重ねてください。

これで暗い影になる場所にさらに濃い色を塗ることができました。

影の部分と、花びらのへこみなども意識して着色すると良いです。

葉や茎の部分も、緑系に少し暗めの色を混ぜて着色します。

一度に塗ろうとせず、最初にある程度塗って、乾いてからまたもう少し濃い色で重ねていくようにします。

この時乾く前に作業をすると、色が抜けてしまったり、さらにひどい状態になってしまうこともあるので注意が必要です。

背景を塗る

背景は最後とは限りませんが、今回は最後に塗りました。

簡単なものですが、背景も塗り終わってこれで完成です。

今回は簡単な背景にしたのでそのまま塗りましたが、絵によっては薔薇の部分にマスキングを塗ったり貼ったりで保護して背景を塗ったりすることもあります。

例えば背景が夜空だったりする場合、人物をマスキングして先に背景を塗ってしまいます。

マスキングに関しては、技法の記事で書いていますので気になる方は読んでみてください。

この薔薇のアウトラインデータをダウンロードできるようにしているので、是非チャレンジしてみてくださいね。公開する予定なく簡単に描いたものなので線が荒いですがご了承ください。

実際に花などを見ながら描いたり、写真を見ながら描いてみても良いと思います。


とにかく描いてみて、感覚をつかんでいくのが一番ですので、とりあえずはじめてみましょう!
最初はうまくいかなくても、徐々にコツがつかめてくるはずです。

まとめ

「グリザイユ画法」で最初に影を付けて塗る方法もある。この方法だと全体的な統一感が出る。

基本的に薄い色から塗っていく。例外もあり。

暗めの色を少量混ぜることで落ち着いた色合いになる。

場所によってウェット オン ウェット、ウェット オン ドライを使い分けて塗っていく。

何度も筆でなぞらない、いじりすぎない、水の量を気を付けることが大事。

色を濃くしたり、修正したりする場合は一度乾いてから行う。

背景を塗る時は場合によりマスキングを使う。

ABOUT US
Haori
体調不良になってからスピリチュアルな世界に足を踏み入れ、龍や天使の存在、高次の存在を感じはじめ、スピリチュアルアーティストとして活動をはじめる。その後並木良和さんから学ぶようになってから、大きな次元上昇を体験し、周りの人を光へ導くライトワーカーとして活動中