水彩色鉛筆の使い方・初心者さんでもわかる描き方とコツを徹底解説

みなさんこんにちは。スピリチュアルアーティストの岸本葉織です。
私は、その時々で降りてくるものをスピリチュアルアートとして描いています。

スピリチュアルと聞いて怪しく思う人もいるかもしれませんが、
本当のスピリチュアルとは「本質の自分」です。

自分が心から描きたいと思うものをかたちにして表現することで、
自分も、それを手にした人にも良い影響を与えます！

さて今回は、「水彩色鉛筆」に関しての解説です！
水彩色鉛筆は手軽に水彩を楽しめるので、初心者さんでも気軽に始めることができますよ！

「色鉛筆で塗った後に、水彩画のような表現も楽しみたい！」

水彩色鉛筆は、そんなクリエイティブな夢を叶えてくれる画材です。しかし、「色が思ったように溶けない」「紙がヨレてしまう」「どこから手を付けていいか分からない」と悩む初心者が多いのも事実。

本記事は、今日から失敗なく、水彩画のような表現を楽しむための完全ガイドです。

色鉛筆との違いから、必要な道具、基本の3ステップ、そして表現の幅を広げる応用テクニックまで、すべてを網羅。さらに、メーカー別の溶け方比較や、水の量の調節術といった情報で、あなたの上達を強力にサポートします。

この記事を読み終える頃には、水彩色鉛筆への不安が自信に変わり、きっと新しい表現の世界への一歩を踏み出せるはずです。

水彩色鉛筆は「描く」と「溶かす」を楽しむ画材

水彩色鉛筆とは？油性色鉛筆との決定的な違い

水彩色鉛筆とは、芯に水溶性の顔料と糊材を練り込んだ特殊な色鉛筆です。普通の色鉛筆のように紙に描いた後、水を含ませた筆でなぞると、描線が溶け出し、淡く美しい表現に変化します。

普通の（油性）色鉛筆と比較した3つのメリット

水彩色鉛筆の最大の魅力は、色の重ね塗り（色鉛筆の機能）と水彩表現（絵の具の機能）という、2つの異なる画材の良さを併せ持っている点にあります。

1. 表現の多様性：一本で「色鉛筆画」と「水彩画」のどちらも楽しめます。
2. 手軽さ：パレットや多量の水を必要とせず、水筆一本あれば場所を選ばずに制作できます。
3. 描き直しの容易さ：油性色鉛筆と違い、水で溶かした直後であれば色を拭き取ったり、薄めたりといった調整が比較的容易です。

水に溶ける仕組みと、水彩画のような表現ができる理由

水彩色鉛筆の芯に含まれる水溶性の糊材が、水に触れることで顔料を紙の上で再び溶かし出すことで、描線が消えて絵の具のような状態になります。この性質により、色鉛筆特有の線の質感を残しつつ、色の濃淡やにじみといった水彩画の表現が可能になるのです。

【読者の疑問】どんな人（目的）に水彩色鉛筆はおすすめ？

手軽に水彩画の雰囲気が楽しめるのが一番の魅力ですよね。私は旅行先のちょっとしたスケッチにも活用しています。

道具

【準備編】初心者が揃えるべき道具と選び方

水彩色鉛筆を始めるのに、高価な道具は必要ありません。ただし、描き心地と仕上がりを大きく左右する重要なポイントが3つあります。

水彩色鉛筆本体：セット数と水で溶ける品質の確認

初心者の場合、まずは12色〜24色程度のセットから始めるのがおすすめです。セット数が多すぎると、かえって色選びに迷うことになります。

• 選び方のポイント：最初は必ず「水溶性」と明記されたものを選びましょう。また、発色が良く、色が均一に溶ける高品質なメーカー品を選ぶと、その後の上達スピードが格段に上がります。

描き心地を左右する「紙」の選び方（水彩紙の重要性）

最も重要なのは「紙」です。一般的なコピー用紙やスケッチブックを使うと、水に負けてすぐに紙がヨレてしまい、ムラや破れの原因になります。

コピー用紙など普通の紙を使うと↑のように色がきれいににじまず紙も波打ちます。

また、↑この画像のように水彩用紙の表面の違いで見た目も大きく変わります。
上はワーグマンの細目（裏面）で表面の凹凸は少な目、下はマルマンスケッチブックである程度凹凸があるので、ぼこぼこした模様のようなものが浮き上がります。

• 選び方のポイント：必ず「水彩紙」または「厚口」と記載された紙を選びましょう。紙の凹凸（テクスチャ）によっても仕上がりが変わるため、最初は「細目（なめらか）」か「中目（適度な凹凸）」がおすすめです。

発色をコントロールする「筆」の選び方（水筆 vs. 通常筆）

水彩色鉛筆には、筆に水を入れることができる「水筆」が大変便利です。

• 水筆のメリット：水入れが不要なため、どこでも作業ができます。水の量の調節に慣れると非常に使い勝手が良いです。
• 通常筆のメリット：一度に広い範囲を塗る場合や、水を多く使いたい場合に適しています。

私はfaber-castellの水彩色鉛筆を使用しています。
他のメーカーのものはかなり前に使っただけであまり覚えていないのですが、faber-castellは初心者さんでもおすすめできる水彩色鉛筆と言えます。
また、水彩紙は透明水彩で使っているものと同じなので、気になる方はこちらの水彩用紙の記事も読んでみてください。

基本手順と応用

【基本の描き方3ステップ】失敗しない塗り方と手順

水彩色鉛筆の基本は、以下の3つのステップをマスターすることです。この手順をしっかり守るだけで、ムラなく美しい水彩表現が可能になります。

ステップ1：色鉛筆のように塗る（線の残し方と重ね塗り）

まずは普通の色鉛筆として、描きたいモチーフに色を塗ります。この段階での塗りが、水で溶かした後の濃淡に直結します。

• 均一に塗る：水彩画のようにきれいに溶かしたい場合は、筆圧を一定にして、できるだけ均一に塗ります。
• 濃淡のつけ方：濃くしたい部分はあらかじめ筆圧を強く、薄くしたい部分は弱く塗っておくと、水で溶かした際に自然なグラデーションになります。

ステップ2：水をつけた筆で色を溶かす（水量のコツ）

いよいよ水彩色鉛筆の醍醐味です。筆に水を含ませ、塗った上からなぞっていきます。

• 水量のコツ：筆に含ませる水は「多すぎず、少なすぎず」が重要です。水が多すぎると紙がヨレたり、意図しない場所まで色がにじんだりします。筆先が紙を滑る程度の「しっとり」とした水分量が理想です。
• 溶かし方：塗った色鉛筆の線の上を、優しくなぞるように動かします。外側から内側に向かって水を加えていくと、色の境界線が自然にぼけていきます。

水で溶かし始めた時は感動しますよね！でも、最初はついつい水を多く使いすぎて紙をフニャフニャにしてしまうんです。筆の水分をティッシュで少し抑えるだけで、一気に描きやすくなりますよ。

ステップ3：乾かして重ね塗り（濃淡で立体感を出す）

一度水で溶かした色が完全に乾いたら、再び色を塗ったり、水で溶かしたりして、色を重ねていきます。この「乾かす→重ねる」の繰り返しで、水彩画のような深みのある濃淡や立体感が生まれます。

• 注意点：完全に乾く前に重ね塗りをすると、色が濁ったり、紙が傷んだりする原因になります。

試しにリンゴを描いてみます。

紙はこちらで紹介した、マルマンスケッチブックオリーブシリーズです。ちょっと粗目です。

まず薄く下地の色を塗ります。ぐりぐり塗らず、軽く優しく塗りましょう。

下地が塗れたら、水筆又は普通の筆に水をつけて、塗っていきます。
下地はムラになってもあまり気にしなくて大丈夫です。
今回は100均の水筆を使いましたが、私は筆に慣れているので普通の筆の方が使いやすいです。

塗ったところが乾いたら、もう少し濃い色で影の部分などを入れていきます。

これを繰り返し、徐々に整えていきます。
一番良いのは、実際のリンゴを見て描く、写真を見て描くことです。
影がどうなっているか、どんな質感か、想像だけで描くのは難しいです。

何色か使って、明るいところ、暗いところを意識して塗り、影も入れます。

これで完成です。

今回スケッチブックですが、透明水彩ほど紙は波打ちませんでした。

応用

【表現力UP】水彩色鉛筆で試したい4つのテクニックとコツ

基本の描き方をマスターしたら、次は水彩色鉛筆ならではの応用技法に挑戦し、表現の幅を広げましょう。

ムラなく美しいグラデーションを作る塗り方

グラデーションは、基本のステップ1（塗る）の段階で、色の境界線を意識して濃淡をつけるのがコツです。

1. 濃くしたい部分に強めに色を塗り、徐々に筆圧を弱めて淡い部分へつなげます。
2. 水で溶かすときは、筆の水分を均一に保ちながら、淡い色から濃い色へとなぞっていくとムラを防げます。

単色グラデーション

グラデーションになるように、水彩色鉛筆で最初は濃く塗り、徐々に薄く塗ります。
その後水筆か水を付けた筆で、薄い方から水を広げていきます。

薄い方から濃い方へ徐々に筆を移動させ、水の量も均一に広げていきます。

完成です。水の量は上の方で書いた通り、何度か練習してみて感覚をつかむのが一番です。

複数の色を使ってのグラデーション

まずは最初の色で単色の時と同じように徐々に薄くしていく塗り方をします。

次にグラデーションの他の色を塗りますが、この2色目も濃い方から薄い方に塗る方がきれいにグラデーションにしやすいので、少し離れたところの濃い部分から塗り、青の方へ移動するにつれて徐々に薄くしていきます。
逆で描きにくい場合は、紙を上下逆にしてください。

ちゃんと最初の色と重なるところまで塗ります。

もし逆側もグラデーションにする場合は反対側も塗ります。

描けたら、水筆か普通の筆で水を適量含ませて塗っていきます。
基本的に薄い色から濃い色で塗っていきます。

ふんわりとした「にじみ・ぼかし」を活かした表現

水彩紙に水を先に塗っておき、その上から色鉛筆で描くと、滲みが強く出て幻想的な表現ができます（ウェット・オン・ウェット）。風景画や背景を描くときに効果的です。

筆に直接色を取る「裏ワザ」的な使い方

色鉛筆の芯の先端に、水筆などで水をたっぷり含ませ、そのまま筆の毛先に色を移して絵の具のように使います。

• メリット：パレット代わりに使うことができ、より濃い色や、水彩らしい色ムラを表現できます。

芯を直接水で濡らしたら、必ずティッシュなどで拭き取ってくださいね。

筆に直接色を取る方法は、細部に濃い色を入れたい時に本当に便利です。色鉛筆を寝かせながら芯を湿らせると、筆にも色を移しやすくなりますよ。

（応用）消しゴムやスクラッチで質感を表現する方法

水で溶かした部分が完全に乾く前に、ティッシュや綿棒などで色を拭き取ると、ハイライトや光の表現（マスキング）ができます。また、針のようなもので削って（スクラッチ）細い線を描くと、水の流れや毛並みといった質感を出すことができます。

これらは透明水彩のテクニックと似ているので、透明水彩のテクニックページも是非ご覧ください。

水彩色鉛筆の芯の部分に筆で水を付けてある程度色を溶かし、
筆で芯をはじくとスパッタリングも可能です。

クーピー色鉛筆などの油性の白で描いてから水彩色鉛筆で塗ると、↑の画像のように線のところがはじいて浮き出る感じになります。蝋でもできます。

比較・トラブル解決

メーカー別比較と水の量の調節術

水彩色鉛筆はメーカーによって芯の硬さや発色、水溶けのスピードが大きく異なります。

主要メーカーの「溶け方」「発色」比較

Faber-Castell
アルブレヒト デューラーと普通の赤い缶のものの2種類あり、アルブレヒト デューラーは
プロ仕様で品質もよく、発色や水溶けが高評価です。
普通の方も全体的に値段、品質、書き心地がバランス良い商品。芯はわりと堅め。
乾いた後の色の変化もなく使いやすい。

ステッドラー
芯が柔らかめで発色は鮮やか。お値段もお手頃なので、
コストパフォーマンス重視ならステッドラーをおすすめ。

三菱
芯は堅めだが使いやすく質が良い。
初心者～中級用。
お値段も手ごろなので初めての人には良いかも。

カランダッシュ
最高級なのでお値段は高めだが、発色や溶け具合、混ざり具合、仕上がりが高評価。
芯はやわらかめなので、扱いに注意が必要
最高級を求める人、プロ向け。

総合的に見て、バランスが良いのはファーバーカステル、
コスト抑え水彩色鉛筆を使ってみたいならステッドラー、三菱
高品質で値段を気にしないならカランダッシュ

私が個人的に驚いたのは、メーカーによって色の濃さが全然違うことでした。特に水で溶かした後の透明感は、作品全体の雰囲気を大きく左右するので、比較して自分に合うものを見つけるのがおすすめです。

「水の量」による発色の変化と失敗事例（写真付き）

上記は水の量の比較です。
水の量が少ないと色鉛筆の線が残りやすく、水が多いと画像のようににじみすぎたり、紙が波うったりしてしまいます。
最初にこのように練習して、どのぐらいの水の量が適量なのかを把握することが大事です。

水の量が多すぎるとこのようにきれいなグラデーションにならないこともありますので、ティッシュなどで水の量を調整してから適量で塗るようにしてください。

初心者が陥りやすい3つのトラブルと解決策（紙のヨレ対策含む）

練習法とまとめ

水彩色鉛筆の練習方法と上達へのロードマップ

水彩色鉛筆は、すぐに上達しなくても楽しむことが重要です。継続できる練習法を紹介します。

まず描いてみたい！簡単なモチーフの選び方

最初は複雑なモチーフではなく、「丸、四角、三角」といったシンプルな図形や、「葉っぱ、果物、空」など、グラデーションの練習がしやすいものから始めましょう。

練習というと難しく考えがちですが、最初はただ「色を塗って、水で溶かす」を繰り返すだけでも楽しいですよ。そこから色の楽しさが広がりました！

他の画材との併用アイデア

水彩色鉛筆は、水で溶けない油性色鉛筆と非常に相性が良いです。水彩表現で背景を淡く塗り、主役となるモチーフを油性色鉛筆でシャープに描くなど、表現の幅を広げることができます。

まとめと次のステップ

水彩色鉛筆は、手軽さと高い表現力を兼ね備えた魅力的な画材です。このガイドを参考に、道具の準備と基本の3ステップを丁寧に進めれば、あなたもすぐに水彩画の世界を楽しむことができます。

よくある質問（FAQ）と今後の情報更新について

• Q: 水彩色鉛筆は消しゴムで消せますか？
  • A: 描線はある程度消せますが、水で溶かした後は紙に色が定着するため、完全に消すことは難しくなります。
• Q: 画材は高いものを買うべきですか？
  • A: 最初は低価格帯でも構いませんが、「水彩紙」だけは品質の良いものを選びましょう。紙の品質が仕上がりを大きく左右します。